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学校長挨拶

あの日から75

 

  8月に入ってから梅雨が明け、残暑の今が夏の本番のような暑い日が続いています例年より早く夏休みが終わり、今日から2学期が始まりました。短い夏休みのため、自由課題が多かった宿題ですが読書感想文だけは全員取り組みました。夏休み前には本をできるだけ読み終わるように、7月から清掃の時間を短縮して設けた昼の読書タイムで、毎日少しずつ読み進めてきました。毎日10分間ですが、涼しい教室で落ち着いて読書にいそしむ時間は、子ども達の気持ちを和ませるとても有意義な時間となりました。せっかくの良い習慣なので今後も続けていきたいと思っています。

 さて、コロナ禍で残念なことばかりの1学期でしたが嬉しかったこともありました。1年生が入学して早く仲よくたりたいけど、なかなか一緒に遊んだり、活動したりできない時に、子ども達は1年生へのお祝いの気持ちを表す取り組みをそれぞれの学年が考え実行したことです。2年生は早く学校に慣れるように学校のマップを作りました。3年生はお祝いの気持ちを込めてメダルを作りました。4年生は掃除上手になれるように掃除の仕方をポスターにしました。5年生は新川小を好きになってもらえるように新川小の良いところを新聞にしました。6年生は心を込めて1年生の名前とメッセージを呼びかけたビデオを作りました。児童会では、マスクをしていても大きな声を出さなくても、心が通えるようなあいさつを続けたいと、ポスターを作って自らも積極的に実践しました。どれも素晴らしい取り組みでした。6年生はこの他にも、学校の役にたつようにと奉仕作業にこつこつと取り組んだり、全校児童に向けて励ましのメッセージを放送したりしました。さすが新川小の顔、立派な最高学年です。そして、8月に入っても1週間、6年生だけ登校しました。国語では、戦争や原子爆弾を題材にした物語「川とノリオ」を学習しました。86日にこの教材を学習できる機会を大切に考え、担任は75年前に思いをはせ、子ども達の心に迫る授業を展開しました。

 86日の平和記念式典で、広島市の6年生が「平和の誓い」を呼びかけました。『昭和20年8月6日。あの日から、血で染まった川、がれきの山、皮膚がはがれた人、たくさんの亡骸(なきがら)、見たくなくても目に飛び込んでくる、地獄のような光景が広がったのです。大好きな町の悲惨な過去です。被爆者は語ります。「戦争は忘れることのできない特別なもの」だと。私たちは、大切なものを奪われた被爆者の魂の叫びを受け止め、次の世代や世界中の人たちに伝え続けたい。悲惨な過去を悲惨な過去のままで終わらせないために。二度と戦争をおこさない未来にするために。国や文化や歴史、違いはたくさんあるけれど、大切なもの、大切な人を思う気持ちは同じです。みんなの「大切」を守りたい。「ありがとう」や「ごめんね」の言葉で認め合い許し合うこと、寄り添い、助け合うこと、相手を知り、違いを理解しようと努力すること。自分の周りを平和にすることは、私たち子どもにもできることです。』

 世界は今、新型コロナウイルスという未知の脅威と戦っています。そのような中で生きていく子ども達が、自分でもできることは何かを真剣に考え、行動できるように、私たちはこれからも全力で子ども達を応援していきたいと思います。